てこの道理と十字の力と三角矩で鉄梃を扱う

鉄板重量級
100 kg超はあるかもしれません(もっと重いかも)
移設後鉄板
この二枚を移設しました
元の場所に新たに
元あった場所で、そこには新たに二枚設置

大人男性二人で15分ほどで終わらせた作業です。鉄梃(かなてこ)を利用しました。支点にはその辺の石を利用しました。
一人二人では持ち上がらないような重量物を取り扱う際に、最も大事なことは、対象の挙動を予測すること、足場の安全を確保すること、動線(退避も含む)を確保することです。油断した一瞬が大怪我の元です。今後はさらなる重量物が回転を伴いながらこの上を移動するので、移設後しばらくは、強度や力の掛かり方など安全に充分考慮して、万が一もあり得ないようにしていく必要があります。

鉄梃(かなてこ)の取り扱い

鉄梃そのものが重量物です。動画の鉄梃は私が19の頃に宮崎のホームセンターで購入したもので、学生の頃は竹刀のような振り方で鍛錬しようとしていました。大きな間違いでしたが、筋力だけは身につきました。大きな怪我がなくて良かったです。今でもできますが、間違った使い方なので、やろうとは思いません。間違いを通して道理を身につけていきましたので、失敗も無駄にはならなかったようです。
さて、重いものを軽く扱うには、呼吸のはずみで機を合わせると非常に楽です。吐ききった状態は弱いですから、そういうときに不意に力が加わらないように、普段から充分訓練しておかないと、いざというときや思うようにいかないときに、思わぬ怪我をしてしまいます。
二人いるときには二人が呼吸と機を合わせることも大切です。
重いものがひとたび動きだすと、急に止めることが困難です。その勢いからくる威力は、必ず周囲に影響を及ぼします。従って、体の使い方だけではなく、動かした大重量物がどのような動きをしてどのようになってゆくのかを、充分予測して動かし始めなければ、落ちてはならないところに落として、より困難な状況になることも少なくありません。
農業機械は強馬力ですから、ブレーキを踏んだくらいでは充分止まりません。そうしたタイヤやクローラなど強馬力の回転力が加わると、後ろ向きへと強い力が掛かって、急激に後ろに滑り飛んだりするので後ろに立つと危険です。据え付け後に掛かる力に耐えられるような据え付け方を考えておかないと、崩れたり、ずれ飛んだりして危険です。
今回、鉄板を据え直すときに片側を持ち上げて裏返しながら転がすように移設しましたが、向こう側へ放つときに手前が跳ね上がることも注意して足を置いておかないと、当たれば肉は裂け骨は砕けることでしょう。当然上に落ちれば大怪我です。また、足場を充分に確認しておかないと、崩れたり滑ったりしては、自分や相棒に影響が及んでしまいます。
充分な気配りの上にこうした作業が成り立つので、自分だけ体の使い方をきちんとしたからといっても、たいした意味はありません。周囲との調和、流れというもののほうが重要です。
体を動かす道理は簡単ですが、周りとの調和を訓練することがそれを活かすことができるということを、よくよく会得していくことが肝要です。

足場が良ければ左足はもう少し前へ

支点を対象に近くするほど、てこの力が充分に掛かります。対象を養生する必要も出てきますし、支点にする木や石の安定を図ったり、支点の土台の養生なども必要なことがあります。様々な状況を想定して、十分対処できるように道具や装備を用意しておけるのが、仕事のできる人です。
しかし仮にモノが足りなくても、今あるものだけでなんとかしてしまえるような、豊富な経験、危機への強さ、知恵というものを充分鍛錬して、我が身と周りの人々へ貢献してゆくのです。不利な状況下でいらついたり、拗ねて声を張り上げたり、隠れたり放置したりしても、事態は悪くなるばかりです。素早く次の手を打つ、動く、考えることが肝要です。日頃の生活こそ訓練そのものなのです。弛まず生きるということです。

「はつり」や「うがち」

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