整体通信令和七年11月号より〜藝術的な絵の完成(リアル入手のみ)

季節の体

 乾きの深まり始める時季です。冬本番時季の乾き(通常は水を飲めば事足りる)と違い、水分の吸収が上手くおこなわれないため、やや熱めの汁物(鍋物なども可)による、熱と塩による水分の浸透効果を利用するのが良いでしょう。あまりに乾きが深い体の人は、GREEN DA・KA・RAや経口補水液などを時折利用するのも一手ですが、それほど乾いているかどうかは、そこまで体の感受性が鈍った人にはわからないので、操法時の観察によって私が判断しますので、敢えてここに書く必要もないのかもしれません。

 急に寒くなりましたので、窓を開け放して寝る人も少なくて良かったのですが、朝方の冷えが身にしみて体調を崩す人が多くなる時季ですので、寝具の敷物(ニトリのNウォームシリーズがお勧め)で底冷えを防ぐことと、風呂上がりにすぐに就寝しないことが注意点です。これは、蒸れた体によって褥内が加温加湿され、体が体温を下げようと働きだし、朝方にかけての気温低下の時間帯には湿気による水分と相俟って冷え切ってしまうためです。こういうとき、起きるのがだるくなったり浮腫んだり、いつまでも眠い状態になります。当然冷えた体は働きが悪くなるので、消化不良や便秘、肌荒れなども起こりやすくなります。この点、汗の内攻によく似ています。

 体が乾くと冷えやすくなるのと同じく、冷えると水分の吸収も悪くなります。飲酒や喫煙の習慣も、体の解毒機能の如何によって、毒にも薬にもなります。アルコールには脱水作用がありますので、肌が気になる方はほどほどに抑えることです。いつまでも美しくありたい女性は、こういう日々の生活によって、内部からほとばしる美を目指して頂きたいものです。私は飾りや虚言などは一瞬で見抜いてなおかつ知らん顔してますけど、世の中にはそういう恐ろしい本物がゴロゴロいます。そういう人は他者に無理強いはしないで、当人が何を選択し、いかに行動するのかを、興味を持って観察してその人物を評価します。

 愛情深い人でも、相手の出方次第で容赦なく対処することがあるのも、体に潤いが足りなくなるためです。やはり皮膚の変化を観ていると、特徴が現れます。ご夫婦で観ていると、ふと別々の日に操法を受けに来ることがあり、そういうときの体の状態によっては、どちらかの方に「そろそろ(行動が)厳しくなるよ」と注意を促すこともあります。忠告を上手く活かせるかどうかは当人同士の技量の問題ですが。

熱刺激~温浴法の基礎

 熱刺激は単に温めるだけの技ではありません。そこには刺激の量と質、変化の幅と速度によって体の感受性を調整する術が含まれています。このように環境の部分変化を作ることで、特定部位の適応運動を喚起して利用します。これによって筋肉の張弛・伸縮に伴うポンプ作用の調整、並びに神経の興奮・抑制に規律を持たせ、脳にも影響を与えるようになっています。文字通り、本来一つであるところの心と体に変化を及ぼす技術です。

 部位として極めて重要なのが後頭部と仙骨部であり、そこは闇雲に冷やすところではありません。風邪による発熱のときも、後頭部へ蒸しタオル法をおこなうのは、発熱中枢の調整機能を正常化するためで、決して冷やしてはなりません。

 熱刺激には大雑把に分けて、興奮誘導と抑制誘導があります。エネルギーが余ってイライラするようなとき、端的には性交で満足できればそれが最も早いのですが、それができないとか、下手とか、幼いとか色々あります。このような場合には熱めの温度で、一分経たないうちに赤味が出るほどの湯に浸かって、赤味が出始めるやいなや、サッと湯から出ると、遅れて赤味が出てきて成功です。二三回繰り返せば余分な体力を消耗して、消化吸収も促進します。余分な緊張を抜いたり、弛み(たるみ)を引締めたりします。

 赤ちゃんの排便誘導に使ったりもしますが、湯温には充分注意が必要です、疲れている体ほど熱いと感じ始める温度が高いので、血行の良い赤ちゃんだと熱すぎることがあります。温度ではなく感受性の境界から攻めてゆくのです。下痢のときは過敏抑制のため、ぬるめから始めて、差し湯でちょうど良くして一度出て、冷える前に湯温を少し上げてまた入り、差し湯で湯温を上げて、赤味が出てきたところでサッと上がるようにすると、一度パッと下痢便が出た後、ピタッと止まります。これらは一例です。

 湯の量が多いと、刺激の浸透力も大きいので強く効きます。以下に部分浴を解説しておきます。左右同時に行い、少し熱く感じる湯温で赤味が出始めた時点で終了し、赤くなるのが遅い側だけもう一度。

 肘湯:肘の真ん中→呼吸器/頭   脚湯:膝の真ん中→腎臓/消化器   腰湯:臍の高さ→解毒促進など

 足湯:内踝の真ん中→中耳炎/咽喉/扁桃腺/腎系など;外踝の真ん中→頭の疲れなど

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