整体通信令和8年2月号より

季節の体

 今年は三週間遅れで春の体への変化が現れ、それは2月上旬頃からになるかと思います、と先月号に書いておきましたが、今日(1月22日)現在で言えば、21日の朝に私の体に数時間変動がありました。鼻水がしょぼく流れ出ようとする程度でしたが、体の水も満ち足りている状態で、粘膜の乾きによる水洟ではないことと、猛暑の影響とは別の流れであることから、冬から春へと切り替わる時季の風邪であると思われました。予想より一週間早く、平年より二週間遅れです。

 そこで、実に久々に自分で自分の体を手指で読み取ってみたところ、腰椎四番の緩みは右に始まる兆しがあり、逆側の仙骨部に変動が現れていました。これは捻って力が抜けていないことを示しています。猛暑の影響も残っていましたが、いやなことに耐えてきた我慢の跡でしょう。感情抑圧点から痢症活点への移行があり、心理的中毒となっています。そこで腹部の観察と共に調整点を見つけて、早速この数ヶ月の右腰のしつこい違和感を消失させることができました。春先は骨盤の動きに左右差がでやすいのですが、それより少し時期が早いため、別物であろうと読めるのです。何故そう言えるかは、観察点とそこに絡む力や気の流れなどから読み取ることができます。

 春先には腰痛に似た重い感じが左右交互に二週間から一ヶ月ほど起こり易いので、その前に肝腎な部位に動きを付け、しかるのち即座に、弛み(たるみ)やすいところを少し締めておけば、先手を打って対処できます。

 生理前は締めすぎると良くないので、そういう時機の女性には動きの方向性だけにとどめていますが、骨盤の引き締めはこの最も寒い時季におこなうのが一番良いので、体の準備を整えつつ一気に締める時機を窺って実行しています。定期的に操法を受けている人は、呼吸器の働きとスタイルが良くなるので楽しみにしていてください。要所要所の時機を見極めず闇雲に骨盤を操作するのは、骨盤操法とは言えないただの真似事です。お気を付け下さい。

 暖かくなって寒くなることが減る時機頃から、皮下脂肪を落として毛穴を開く準備が始まり、下痢として処理する働きが起こります。もう少し先になりますが、その時季の下痢は異常ではなく生きる働きです。二三回渋ったら後に引きずらず、日に数度か数日に一回かの波があるような下痢は、二週間ほどで落ち着きますので、無理に止めようとしなくても構いません。生活の中で支障のあるときは、痢症活点と胸椎八番の矯体法をやっておけば、サッと出て一日一回の数日で落ち着きますので、覚えておくと良いでしょう。

 3月頃までは水をしっかり飲んでおけば、空気の乾燥での体の乾きによる、体の水分吸収要求に応じることになって、体の保水力を養うことになり、春後の発汗で老廃物の排泄をすることがたやすくなりますので、乾く時季の水(吸水力の弱い人は熱めの汁物)を飲むことはとても重要です。

心と体はひとつ

 五年前に観るのを打ち切ってそれきりになっていた人に、先年末に遭遇しました。あそこが治ればここが悪い、治っていないというふうに、決して効果を認めないばかりか、いちいち他のやり方がどうこう言いつつ、私が忠告することを守らず否定する始末で、ご自分の好きなようにやりなさいと打ち切って以後一切関わらなかった方です。あまりの変貌ぶりに、思わず声をかけてしまったのですが、どうせ同じことを繰り返すので、本当は関わりたくはありませんでしたが、そうは言っても大事な命のことなので、推参で往診操法を行うことにしたのです。

 目視(先月号に書いた霊眼も含む)による推察のとおりであり、本人の訴えも併せて、丁寧に体を読むこと二十数秒、非常にまずい状態であることが推し量れたので、操法によって対処し、経過観察と軌道修正もかねて年明けにも推参して往診いたしました。一度目の操法によって不正出血と腰の重さが良くなったと喜んでおられましたが、これほど素直なのは初めてなんじゃないかと思います。五年前に私が去らなければここまでにはならなかったでしょうが、私には先がみえても、普通の人はわからないまま同じことを繰り返すものです。こうなると忠告はあまり意味を成しませんが、先月号にも書いたように、言ったという事実がこちらの立処を浮き彫りにさせます。そこで「次はいつ会えるかわからないけど、次会うときまで元気でいてね」と言っておきました。これで「会わないでいればいるほど元気であれ」ということの暗示になっているのです。もう後は知らない。一時的に治った時点で打ち切らないと、また何かあったときに文句を言われます。この人の場合、薬の飲み方を改めることも重要だったのですが、今となってはあらゆる影響が出る時機ですので、完全に機を逃してしまっているため非常に難しいのです。難しい性格だと体の状況も難しい方向へ流れやすいのです。当時、病気を作るような暗示にならないように注意深く言葉を選びながら警告していたのですが、危惧していたとおりになっていて、とても残念です。

 このように、心のありようは体に顕れます。宝くじで一等が当たったかのような希有な人材だと評価されることの多かった私を、あろうことか愚弄し、言動の正しさと実現性を素直に評価することができず、逆のことばかり言ったり嫌味を言ったりして蔑ろにするのも、こういう体と心、生活、悪癖があってこそで、それはその人が悪いというよりも、その体が悪いということです。整体操法によって体を変え続けてゆくと、心も澱が取れたように変わるはずでした。

 当人はこういうのを読まないと思うので思い切って書きましたが、本当は命を嘲るようなことは書きたくはありません。心と体は一つであるということの一つの事例として紹介いたしました。

 一つ褒めておきたいのは、遅すぎた感はありますが、よくぞこの大事な分岐点で私と再会できたものだということです。実際のところは私の氣の力が大きかった(もう知らないと言いつつ最近気になっていた)のであり、どちらかというと本人は逃げ腰であったのですが、それでもギリギリのところで推参を認可したのは見事でした。九割が私の力なんですけどね。誰も褒めてくれないのでここに恩着せがましく書いておきます。

 

未だに残る猛暑の影響

 陸上生命のほとんどに必須である呼吸をするだけで、肺をもつ種はダメージを負う夏でした。肺の中が蒸れる暑さによる刺激の影響で、冬の現在に至るまで尾を引いているということも少なくありません。本来は今は、私の体の事例で紹介したように春先の変化を呼び起こす風邪(破壊要求)をひく頃であるのに、秋の体になりきってない人、冬の体になっていない人など、風邪をひいてもいつのどこの風邪なんだかわからないような、ハッキリしないままズルズルと症状が続くような話をよく聞きます。私が直接観れば良いのですが、聞く話だけでは話す側も観察の要点などわからないので、ただ症状のみを伝え聞くのみになります。季節変化の公式が通用しなくなり、機を逃さず私が直接体を調べて操法をおこなわないことには、適切な対処法の指導ができなくなりました。先読みも難しさを増してきています。

 セオリーと当人の体の特徴に基づく推量が、以前のように簡単ではなくなっています。分岐の機もかなりシビアになってきており、のんびりしているとあっという間に手遅れになることもあります。

 気づけば常に真剣に全力で走っているのは私だけになっていた、ということがないことを願います。

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